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子供が知っていて、わたしが忘れ、老人が思い出したもの。

死です。

金持ちの子供でも貧乏人の子供でも、その状況を受け入れているのなら同じですよね。親の金で遊ぼうが、親の借金を返そうが、どちらも同じことのように思える。この気持ちは贅沢の上で成り立っている。わたしには両親が揃っていて、食べることに困ったことはないし、顔が腫れがあるほど殴られたこともない、彼らの人間性に多少の問題はあっても。そういう贅沢の上で成り立っている。わたしは、わたしが体験した程度の不幸には同情できても、それ以上の不幸、それ以下の不幸にたいしては同情することができなくなってしまう。鈍感になってしまう。目を閉じてセックスしている時みたいな鈍感さ。

わたしのことが好きかと聞くと、わからない、わからないから会うことが止められないと返ってきた。映画か何かで聞いたことのあるような台詞だと思った。どこで耳にしたのか未だに思い出せない。思い出せないから、その言葉が忘れられない。